経済学の源流であるアダムスミスの「国富論」を学び、どうすれば豊かになれるのか?これからの時代を豊かに生きる上でのヒントになるでしょう!
目次
アダムスミスの「国富論」を学ぶ理由
どうも、グローバルマーケッターのMOTO@mmoto001です。
さて、今回は、
経済学の源流と言われているアダムスミスの「国富論」を読み解いてみようと思います。
「こういう知識が何の役に立つのか?」
というと、
今の経済の基盤になっている考え方を学んでいくことで、
これからの未来を読み解くヒントになる。
世界を大きく変えた哲学や考え方を、
一つずつ紐解きながら学ぶことで自力・考える力が養えます。
その自力があることで、
ビジネスで稼ぎ続けることにも繋がっていくと思っています。
一見、遠回りに見えて長期視点で見れば、
こういう教養こそ重要になるのではないでしょうか。
なので、
定期的にこういう世界を動かしてきた考え方を学びながら
尚且つ、豊かに生きることについて考えるヒントを得て貰おうと書いていきます。
経済学の源流「国富論」から現代までの発展の歴史。
まず、
アダムスミスの国富論の時代から
どういう風に経済学が発展したか?
ざっと見てみましょう。
部分的に見ると偏った視点を持ってしまうので、
歴史的背景もサッとでも把握しておくほうがいいと思います。
1776年にイギリスの経済学者・哲学者アダムスミスが「国富論」を発表します。
<アダムスミスの肖像> 音楽家の感じがしますw
「国富論」を一言で言うと、
「国や国民がどうやったら豊かになるのか?」を論じた本です。
「神の見えざる手」という言葉が有名かと思います。
(ちなみにアダムスミスは見えざる手とは表現しているが神の見えざる手とは言っていない)
簡単言うと、
「各々がモラルを持って利益を求めていけば結果的に社会は豊かになる。
経済は市場に任せておけば発展していく。政府は経済に必要以上に介入するな!」
ということを言っています。
それから100年後、
1867年にこの「国富論」の欠点を指摘して新しい経済論を発表したのが
かの有名なカールマルクスの「資本論」です。
資本論は、
資本主義を支持しているものではなく、
資本主義を進めていくと資本家はより富を増して労働者との貧富の差がますます広がっていく!
と資本主義を批判しています。
それを元に、
毛沢東は社会主義国家である中国を建国し、
レーニンはソビエトという社会主義国家を打ち立てました。
が、結果的に競争がなくなった社会主義では
みんなのやる気がなくなってしまって上手くいきませんでした。
その後、
1936年にジョン・メイナード・ケインズによる「雇用と利子とお金の一般理論」を発表。
<ケインズ>学者って感じですね。
この時代には世界大恐慌が起きアメリカの株が大暴落したという背景があります。
そこでケインズは、
政府がお金を使って雇用を生み出して景気を回復させればいいということ
を述べ当時ではかなり新しい発想でした。
そして、
金持ちが貯金して富が偏らないようにお金持ちからはたくさん税金を取りましょうということで累進課税が生まれ、
更には銀行の利子を下げる提案もしました。
銀行の利子が高ければ預金だけして経済が回らないからですね。
と、、、、
この考え方はなじみがありますよね?
そうです。このケインズの考えを参考に今の日本の景気対策など打ち立てられているですが、
結果はあまり上手く回っているとは言い難い・・・・
そのケインズを否定したミルトン・フリードマンが1962年に「資本主義と自由」を発表。
<フリードマン>賢そうですね。
フリードマンは、
14個の政府が行うべきでない施策を述べています。
社会保障、輸入関税、公営の有料道路はいらない、営利目的の郵便事業の禁止などなど
中には国立公園もいらないと言っていますねw
ちなみに日本でフリードマンの考えを取り入れたのが、郵政民営化ですね。
この歴史を見てみると、
フリードマンが述べていることはアダムスミスが述べていた
「政府は経済に必要以上に介入するな!」を更に具体化したものですよね。
気づきましたか??
200年以上も前に提唱されたアダムスミスの国富論が
色々な経済学を経て再度見直されているのです。
ざっとでも歴史を見てみると、
経済学が発展してその経済学を参考に各国が取り入れて試しながら
発展していることがわかるかと思います。
【簡単要約】国富論が述べる国を豊かにする3つのこととは?
では、
この経済学の歴史を見た上で、
国富論が述べるどうすれば国が豊かになるのか?
を簡単に説明していきます。
それと同時に、
・今の日本がどうなっているのか?
・僕らが出来ることは何なのか?
を当てはめながら考えていきましょう。
アダムスミスは国富論で、
国が豊かになるために大きく3つのことを言及しています。
❶技術革新(生産性の向上)
❷富の適切な分配
❸教育(国民の質を高める)
それぞれ、
もう少し詳しく見ていきましょう。
❶技術革新(生産性の向上)が豊かさに繋がる
生産性の向上、テクノロジーの進化することで国は豊かになっていくということです。
これは、今の日本であれば、
技術革新による豊かさはある程度享受していると言えると思います。
そして、今後もテクノロジーの進化と共に
世界全体に豊かさは広がっていくでしょう。
これからの20、30年でテクノロジーが一気に進み、
シンギュラリティの時代になると資源が豊かになっていくのは間違いないでしょう。
貧困問題なども技術革新によって改善される可能性が高いです。
ただ、それが精神的に「豊か」かはわからないですけど。
・分業と公正な取引・交換
アダムスミスの時代では、
生産性を高めるために「分業」ということを挙げています。
例えば、
みんながそれぞれ自給自足で生活するよりも、
お米を作る人、お米を運ぶ人、お米を販売する人という風に分業にするほうが生産性が上がるよね。
ということを言っています。
分業することで生産力が高まり、
そして「公正な取引、交換」が人々を豊かにする。
今の僕らからすれば当たり前のことを言っていますが、
当時からすればまだ当たり前ではなかったわけですね。
・モラルある経営者が必要
また、アダムスミスは、
「労働者より経営者のほうが圧倒的に有利である!」と言い切っており、
だから、
最低限のモラルを持って「家族が養えるだけの賃金を必ず払わなければならない」と言及しています。
しかし、
今の日本では「ワーキングプア」という現象が社会問題になっており、
現状の日本でも家族を養えるだけの賃金が貰えているか?
と考えるとアダムスミスの理想とはズレていますね。
だからといって、
経営者に「賃金を挙げろ!」という交渉をするとかはナンセンスであり、
僕であれば、労働者ではなく経営者になればいいのでは?と思います。
幸いにも今の時代であれば、
起業家、経営者になるハードルは昔に比べてかなり下がっていますしね。
そして、
経営者になり労働者を雇う立場になったのであれば、
「いかに動労者の賃金を高められるか?」考え、そういう経営人が増えれば、
アダムスミスの国富論を参考にすると豊かになることに繋がると言えるでしょう。
❷適切な分配が豊かさに繋がる
・金銀を貯めるな!循環させろ。
この時代は、モノを輸出して金銀と交換し、
金銀を貯め込めば豊かになるという思想(重商主義思想)が一般的でしたが、
「金銀を貯め込んでも豊かになれないよ!輸出、輸入で循環させる仕組を作っておくことが豊かさには必要だ!」
とアダムスミスは言及しています。
が、、、
しかし、今の日本を見てみるとどうでしょう?
大企業が400兆円も内部留保していたり、
老人達がタンス貯金で現金を貯め込んだり・・・
お金を持っていれば豊かだという
重商主義志向が今も根強く引き継がれている気がしますね。
もっと循環させていかないと豊かさには繋がらないという
アダムスミスの思想とは逆行しているのです。
・独占は悪である
そしてもう一つ「独占」が経済を発展する上では悪だ!
「独占」が横行すれば物価が最悪の状態になる。
と言及しています。
織田信長が「楽市楽座」と呼ばれる自由な商売を推奨して広め誰でも商売が出来るように広めましたが、
この「楽市楽座」の影響で当時の物価がかなり下がりました。
経済が自由であれば物価は自然なところに落ち着く!
ということです。
ですが、、、
今の現社会を見ると表向きは自由であるかのように見えて、
まだまだ「独占」が多いのが現実でしょう。
新幹線なども独占なので、価格高いですよね?
他に競合する会社が生まれないので価格が高いままなのです。
また、現に日本は古い業界の独占思考が根付いていて、
AIRBNBやUBERなど海外からの新規産業を尽く規制で取り締まっています。
これが豊かさに繋がるのか?
技術革新でも遅れてしまい、
独占を助長している状態ではないのか?
この独占においても、
アダムスミスの思想とは逆行していますね。
とはいえ、、、、
ビジネスをやる側からすれば、
「独占」ほど美味しいことはないですし、
政治家と結託して「規制」や「ルール」を作り上げてしまえば、
独占に近い状態を作られるわけですけどね。。。
まあ、
「独占」を廃止して経済自由になったことで、
価格競争が起きて価格が自然な所に落ち着いた身近な事例もあって、
それが携帯電話です。
最初はレンタルだけだったのが規制緩和で売り切りにして値段が一気に下がった。
また電波回線なども価格競争が起きて値段が下がってきて
消費者からすればより環境が良くなっている業界もあります。
・税金の4原則
税を課す場合は、
・公平であること
・税金の決め方が明確であること
・納税しやすいこと
・徴税するためのコストが安いこと
という風にアダムスミスは述べています。
至極真っ当ですよね。
本当にこの4原則が当てはまれば、
適切な分配も可能になりそうです。
ただ、現実は全くこのようにはなっていないですよね。
「税金は取りやすい所から取れ」と言われているように、
権力が持たない人、立場が弱い人、うるさく主張しない人から税金を取れというのが暗黙のルールのようです。
僕が思うに、こういう税金の徴収こそ、
ブロックチェーンを導入して、
売上も経費も全部AIが自動的に計算して
自動的に徴収してくれる仕組みが出来上がれば、
・誰も不正が出来ないようになり、
・税務署、会計が不要になり、
・経営者は節税を考えなくても良くなり、
・コストが下がり、
生産性が一気に上がるんじゃないかと思うのです。
無駄なコストが一気に省けるので、
税金も下げながら納税額を増やすことも可能でしょう。
ただ、、、、
既得権益を牛耳っている人達からすれば、
やりたがらないのでまだまだ先になるのでしょうけどね。
❸教育(国民の質を上げることが豊かさに繋がる)
・優秀な国民を育てろ
アダムスミスは生産性を高めることが国の豊かさに繋がり、
生産性を高めるためには「国民の質を高める」必要があると述べています。
そして、どれだけ資源が豊かでも国民が豊かでなければ、
豊かさとは言い難いでしょう。
逆に国民のレベルが高ければ、豊かに生きれると思います。
そもそも、資源を作り出すことも出来るでしょうし。
・大英帝国が一気に繁栄したのも教育制度を変えたからですし、
・ユダヤ人に大富豪が多いのもユダヤ人は子供の教育にこだわっているからでしょうし、
・明治維新以降に日本が急成長したのも教育制度が整ったからでしょう。
今の日本では最低レベル義務教育で言葉を読み書き出来たり
モラルを学んだりは出来て昔に比べると進歩していると見れるものの、
受動的過ぎたりこれからの時代には完全に時代遅れの教育をしていると
感じている人は多いのではないでしょうか?
貧富の差が拡大する「国富論」とは真逆の世界で僕らが出来ることは?
国富論の適切な分配とは逆で、
今後はますます格差社会に突入していくでしょう。
富めるものは更に富む世界。
貧しいものは更に貧しくなる世界。
これは、
資本主義なので資産があれば更に資産が増えやすくなるというのは当然ありますが、
それだけでなく、
もう一つ大きなことが「教育の格差」だと感じています。
富裕層は、
自分の子供にこれからの時代に合った教育を受けさせるでしょうし、
適切に学べる環境を選び、教育にお金を惜しみません。
良い環境で良い教育を受けた子供は更に富む可能性が高いのです。
子供の学校教育レベルが改善されれば良くなるのか?
というだけの問題ではなく、
大人、親自身も教養を高めていく必要があるでしょう。
なぜなら大人が子供の人生を大きく決めるからです。
そう考えると、
教育こそ一番力を入れるべき所だと個人的には感じていますが、
現実的には時間がかかりそうな問題です。
そうなると、
国が教育を変えてくれることを期待して受動的になっているのではなく、
自らが教養を高めていき、人に教えていくことが必要だと思います。
今の時代、幸いにもインターネットが発達して、
個人が発言して影響を与えられる社会になりました。
ということは、
この記事を読まれているあなたが更に教養を高めていき、
ネットを通じて教えていくことで、
豊かさに繋がる可能性は十分あり得ると思う次第です。
結論として、
僕たち自身が教養を高めていき、
同時にモラルのある営利事業、お金稼ぎを進めていくこと
これが、
僕らがすぐにでも取り組めることであり、
アダムスミスの言うところの「神の見えざる手」
つまり、国全体の豊かさに繋がるのではないでしょうか?
PS:
・アダムスミスの国富論をざっと学びたい方はこの本がいいかと思います。
・アダムスミスの国富論の原著はこれですね。
引き続き、
ブログでも教養を高められること
ビジネスでの稼ぎ方を伝えていこうと思います。
ではでは。
MOTO